マンジャロは保険適用?自費診療との違いを解説

マンジャロ(成分:チルゼパチド)は、2023年に2型糖尿病の治療薬として承認された注射製剤です。 本記事では、マンジャロが保険適用になる条件や、自費診療となるケースを、医師が解説します。
痩身目的での使用について話題になることが多い薬剤ですが、 適応外使用に関する内容は本記事では扱いません。 別記事をご参照ください。
マンジャロは保険適用される?【結論】
厚生労働省の通知・添付文書によると、マンジャロは以下の場合に保険適用となります。
- 適応疾患:2型糖尿病(T2DM)
- 食事療法・運動療法を行っても改善が不十分な場合
つまり、糖尿病の治療を目的とする場合のみ保険適用される薬剤であり、 それ以外の目的(例:体重管理など)では保険適用にはなりません。
保険適用となる「2型糖尿病」の診断基準とは?
マンジャロを保険適用で使用するには、まず2型糖尿病の診断が必要です。 一般的には以下を参考に診断が行われます(日本糖尿病学会基準)。
- 空腹時血糖値が基準値より高い
- HbA1c(ヘモグロビンA1c)が基準を超える
- 医師が複数回の検査で糖尿病と診断
そのうえで、生活習慣改善を行っても血糖が十分に改善しない場合に、 治療薬の選択肢としてGLP-1受容体作動薬やチルゼパチド製剤が使用されることがあります。
自費診療になるケース
以下の場合には保険適用外となり、自費診療扱いとなります。
- 2型糖尿病の診断がついていない場合
- 血糖管理以外の目的で使用する場合
- 医師が保険適用の範囲に該当しないと判断した場合
日本ではマンジャロを「肥満症(肥満症治療薬)」として承認していないため、 体重管理目的での使用は保険の対象外となります。
保険診療と自費診療の一般的な違い
| 区分 | 保険診療 | 自費診療 |
|---|---|---|
| 適用目的 | 2型糖尿病の治療 | 適応外目的の場合(保険適用外) |
| 費用負担 | 1〜3割負担(年齢・所得により異なる) | 全額自己負担 |
| 使用条件 | 診断基準を満たす必要あり | 医師判断のもとで使用されることがある |
※自費診療の費用は医療機関によって大きく異なります。 本記事では特定の価格比較は行いません。
マンジャロの特徴(一般情報)
マンジャロは、従来のGLP-1受容体作動薬とは異なり、GIP と GLP-1 の「デュアル作動」を持つ点が特徴とされています。 添付文書では、血糖値を改善する作用や内因性インスリン分泌に関連する作用が示されています。
ただし、痩身目的の使用は承認されておらず、効果についても本記事では触れません。
マンジャロの体重減少効果についてはこちらの記事をご参照ください。

マンジャロを検討する際の注意点
マンジャロを含むGLP-1関連薬剤は、副作用が生じる可能性があるため、 使用にあたっては以下が重要とされています。
- 医師による診察と適応判断
- 添付文書に記載された副作用の確認
- 自己判断での使用を避けること
どの治療薬を選択するかは、疾患・生活背景・検査結果などを踏まえて医師が総合的に判断します。
まとめ
- マンジャロは2型糖尿病の治療薬として承認されている
- 保険適用になるのは糖尿病治療が目的で、基準を満たす場合のみ
- 体重管理目的での使用は保険適用外で自費診療
- 適応判断は医師による診察が必要
