フォトフェイシャル(ステラM22)とルメッカどっち?

IPL(Intense Pulsed Light)治療は、しみ・そばかす・赤み・肌の質感改善など、幅広い皮膚症状に使用される代表的な光治療です。 本記事では、現在多くのクリニックで使用されているステラM22(フォトフェイシャル)ルメッカについて、 どのような違いがあるのかをまとめてみました。


目次

そもそもIPL(Intense Pulsed Light)とは?

IPLは複数の波長を含む光を照射し、メラニン(しみ)ヘモグロビン(赤み)に反応して光エネルギーを熱に変換することで改善を目指す治療です。 以下のようなエビデンスが報告されています。

  • 色素斑(しみ)改善に有効  Goldberg DJ. Dermatol Surg. 2000  → 表在性のしみ・そばかすにIPLが有効と報告。
  • 赤み(血管病変)にも効果  Markus HF et al. Dermatol Surg. 2007  → 波長を使い分けるIPLは血管拡張・赤みに対応しやすい。
  • 肝斑には注意が必要  Passeron T. Dermatol Surg. 2011  → IPLは肝斑を悪化させる可能性があり、設定調整が重要。

IPLは「どの波長をどの強さで届けるか」によって効果が大きく変わる治療であり、 機器ごとの波長構造・ピークパワー・フィルター数が違いとして現れます。


ステラM22(フォトフェイシャル)の特徴

ステラM22は Lumenis社のIPL機器で、複数のフィルターを切り替えて症状に合わせた照射ができることが特徴です。

ステラM22の特徴

  • 515〜640nm の多数フィルターで細かい調整が可能
  • しみ・そばかす・くすみ・赤み・ニキビ跡の赤みに幅広く対応
  • 赤み治療に使われることも多い

論文との関連性

  • 赤みに対するIPL効果を示す論文(Markus HF 2007)  → ステラM22は赤みに最適化しやすい波長フィルターを多く持つ
  • 光老化・色調改善に関する論文(Goldberg 2000)  → ステラM22は複数波長で均一な肌質改善がしやすい構造
  • 肝斑に注意が必要(Passeron 2011)  → 多フィルターなので「安全な設定に調整しやすい」点がメリット

ステラM22は「複数の悩みを同時に改善したい」ケースで選ばれることが多い設計と言えます。


ルメッカの特徴

ルメッカ(InMode社)は、高ピークパワー・ショートパルスが特徴のIPL機器です。 特に色素斑に対する反応が出やすいように設計されています。

ルメッカの特徴

  • 高ピークパワーでメラニンへの反応が強い
  • しみ・そばかすの改善を目的として使用されることが多い
  • フォトダメージ(日焼けによる色むら)に強い反応

論文との関連性

  • 高出力IPLは色素斑の反応が強い(Sadick NS. Clin Dermatol. 2008)  → ルメッカの設計思想と一致
  • 高ピークパワー光源は少ない回数で効果を感じやすい(Krautheim 2018)  → ルメッカが「1〜2回で変化を感じやすい」と臨床で言われる根拠
  • 一時的な赤み・かさぶたなど反応が出やすい可能性(Wang 2020)  → 高出力ゆえの注意点として説明可能

ルメッカは「しみをしっかり減らしたい」ケースで選択されることが多い機器です。


ステラM22とルメッカの違いまとめ

比較項目ステラM22ルメッカ
特徴多フィルターで幅広い症状に対応高ピークパワーで色素に特化
得意領域(文献ベース)赤み・酒さ・くすみ・肌質しみ・そばかす・フォトダメージ
痛み比較的マイルド反応が強いためやや刺激あり
ダウンタイム軽度の赤み程度反応によりかさぶたが出ることがある
適応の幅広い(色素+血管+肌質)色素中心に特化

どっちが自分に向いている?

ステラM22が向いているとされる例

  • 赤み・酒さ・ニキビ跡の赤みが気になる
  • くすみやトーンアップもしたい
  • 複数の悩みを一度に改善したい

ルメッカが向いているとされる例

  • しみ・そばかすを集中的に改善したい
  • 強い出力で早く反応を出したい(※個人差あり)

最終的な判断は、肌質・既往・内服・日焼け状況などを踏まえて医師が行います。


ロアクリニックでのステラM22について

ロアクリニックではステラM22を採用しており、 IPLの波長特性を踏まえ、 赤み・しみ・くすみなどに合わせて、一人一人に合わせてフィルターを調整しています。

肌状態に応じた相談をご希望の場合は、診察時にお気軽にお尋ねください◎

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この記事を書いた人

内科・美容皮膚科医
ロアクリニック院長

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