マンジャロ(Mounjaro)で禿げる?薄毛になるという噂の真相と本当の原因

GLP-1/GIP受容体作動薬である「マンジャロ(チルゼパチド)」は、非常に強い体重減少効果がある一方で、SNSなどで「マンジャロで禿げる」「抜け毛が増える」という声が見られます。
結論から言うと、マンジャロ自体が直接“薄毛の原因になる”という医学的根拠はありません。
ただし、体重減少のスピード・栄養不足・ホルモン変動などによって“結果的に抜け毛が増えるケースはあり得る”ため注意が必要です。
1. マンジャロで禿げると言われる理由は?医学的結論
- 薬そのものが毛根を攻撃することはない → 根拠なし
- 急激な体重減少に伴う「休止期脱毛(TE)」が起きることがある → これは根拠あり
- 栄養不足が起きやすい → 抜け毛の間接的な原因になりやすい
つまり、マンジャロが原因というよりも、痩せ方のスピードや食事の偏りが抜け毛につながる可能性があるということです。
2. マンジャロで抜け毛が起きる可能性がある“3つの間接的な理由”
① 急激な体重減少による「休止期脱毛」
マンジャロは強力な食欲抑制があるため、短期間で体重が減りやすい薬です。体重が急に落ちると、毛根が「栄養不足」と判断して抜け毛のサイクルに入る可能性があります。
これは産後脱毛や過度なダイエットで起こるのと同じ仕組み。
② たんぱく質・鉄分不足
食欲が減りすぎてしまうと、以下の栄養素が不足しがちです:
- タンパク質(髪の主成分)
- 鉄分(毛母細胞のエネルギー源)
- ビタミンB群(代謝に必須)
これらが欠けると、毛の成長が止まり、一時的に抜け毛が増える可能性があります。
③ ホルモンバランスの変化
急激な体重減少は甲状腺ホルモンや性ホルモンに影響し、髪の成長サイクルに影響します。この作用も「薄毛」「抜け毛」として感じやすくなります。
3. マンジャロは“直接的に”薄毛を起こすのか?
| 項目 | 医学的根拠 |
|---|---|
| マンジャロが毛根を攻撃する | × 根拠なし |
| マンジャロの副作用として「脱毛」 | × 添付文書に記載なし |
| 急激な体重減少で休止期脱毛 | ◯ あり得る |
| 栄養不足による脱毛 | ◯ よくある |
つまり、マンジャロ=禿げるではなく、痩せ方・食事の問題が原因。
4. 抜け毛を予防するためにできること
① 体重を落とすスピードを緩やかにする
1週間に1kg以上の急激な減量は、脱毛リスクが高まります。
② たんぱく質をしっかり摂る
目安は体重 × 1.0〜1.2g(例:50kg=50〜60g)。
③ 鉄・ビタミンB群を意識
おすすめの食品:
- 赤身肉
- 卵
- 納豆・豆腐
- ほうれん草
④ サプリメントを併用する場合
- 鉄(ヘム鉄推奨)
- ビタミンB群
- 亜鉛
- ビオチン
⑤ 2ヶ月経っても抜け毛が多い場合は医師に相談
休止期脱毛は通常3〜6ヶ月で改善しますが、長期化する場合は別の原因があるため診察が必要です。
5. マンジャロを続けても大丈夫?
抜け毛があっても、以下の条件を満たせば継続できます:
- 体重の減少が急激でない
- 栄養がしっかり取れている
- 貧血がない
- 吐き気などの副作用がない
- 甲状腺機能に問題がない
逆に体重が急に落ちすぎている人は、安全のため減量スピードを調整した方がいいです。
6. まとめ:マンジャロで禿げるは“誤解”だが注意は必要
- マンジャロ自体に脱毛作用はない(医学的根拠なし)
- 急激な減量で抜け毛が増えるのは“あり得る”
- 栄養不足が最大の要因
- 対策すれば予防できる
正しく使えば、マンジャロは安全にダイエット効果を得られる薬ですが、医師の診察の上で使用する必要があります。抜け毛が心配な方は、医師の診察で減量スピードや栄養バランスを調整すると安心です。
医療ダイエットはあくまでダイエットの補助であり、食事や生活習慣を整えていくことが綺麗な体型維持につながります。
